第一審は、起訴状朗読-認否-冒頭陳述-証拠調べ-論告・弁論-判決という流れで進められます。
無罪主張をする場合でも刑の重さを争う場合でも、控訴審で新たな証拠調べをしてもらうのは極めて困難であるため、第一審での審理が重要です。
裁判員裁判対象事件や複雑・重大事件等の場合には、争点整理や公判で取調べる証拠を決定するため、公判前整理手続が行われます。
証拠調べが最も重要で、検察官が請求した証拠のうち被告人が納得できないものを不同意とすると、証人尋問が行われます。もちろん被告人側も証人尋問を請求できます。証拠物の取調べや検証なども行われます。
被告人質問の内容も証拠になりますから、被告人は主張したいことを十分に述べる必要があります。
検察官の論告に対し、弁護人は弁論を行い、被告人が無罪であることを説得力を持って主張しなければなりません。
検察官の懲役刑・禁錮刑の求刑に対し、罰金刑を求めたり、執行猶予付きの判決を求める公判活動が行われます。
事実関係に争いがなければ、検察官の請求証拠を同意し、被告人に有利な証拠、具体的には、情状証人や示談書・嘆願書の取調べをしてもらい、被告人質問でも反省していること等を述べることになります。
刑の重さを争う場合も同じですが、無罪主張をする事件では、弁護士の能力が特に重要です。事件の本質・ポイントを見抜き、効果的な立証を行うためには、経験に裏打ちされた高度な技術・判断能力が必要ですし、被告人にとって有利な証拠を収集する技術・能力も必要です。弁護士は、被告人と十分な打合わせを行い、最良の弁護方針を決定し、それを実行する必要がありますが、ここでも刑事事件についての経験がものをいいます。
弁護士の能力・手腕が不足していたがため、執行猶予が付かずに実刑になったり、無罪が取れずに実刑判決が言い渡され、弁護士が替わって、控訴審でやっと執行猶予が付いたり、無罪になったなどという話しはよく聞くことで、弁護士選びも極めて重要です。